研究課題/領域番号 |
18H01166
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 博 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2018年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | フェルト秒レーザー分光 / 赤外分光 / 光誘起相転移 / フェムト秒レーザー分光 / 電場誘起相転移 / 超高速分光 / テラヘルツパルス |
研究成果の概要 |
本研究では、分子性結晶に中赤外パルスを照射し、新しい機構に基づく巨大電子応答や超高速相転移の観測を目指した。まず、中赤外パルスの電場波形に沿った応答を観測するために位相安定な中赤外パルスを発生し、可視極短パルスと組み合わせたサブサイクル分光システムを構築した。それを用いて、中性イオン性転移系において分子振動励起による分子間電子移動を引き金とするイオン性-中性転移、及び、非共鳴励起による量子トンネル過程に起因するイオン性-中性転移を観測した。また、スピンパイエルス機構により二量体化したモット絶縁体において、量子トンネル過程によるキャリア生成をきっかけとしたスピンパイエスル相融解の観測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光誘起相転移の研究は活発に行われているが、中赤外パルスを励起に使った研究は少ない。本研究では、分子性結晶において、中赤外パルスで分子間電子移動と強く結合する赤外活性分子内振動を励起することにより、分子間に大きな電子移動の変調を引き起こし、それをきっかけとしたイオン性-中性転移を実現した。また、中赤外パルスの強電場による量子トンネル過程を引き金とするイオン性-中性転移やスピンパイエルス相融解の実証にも成功した。これらは、中赤外パルスを使った新しい電子相制御の可能性を拓くものであり、学術的意義の高い成果である。
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