研究課題/領域番号 |
18H01170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 寛 東京大学, 低温科学研究センター, 特任研究員 (00181298)
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研究分担者 |
村川 智 東京大学, 低温科学研究センター, 准教授 (90432004)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2018年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 量子液晶 / 超固体 / スピン液体 / 単原子層 / 量子スピン液体 / 超個体 |
研究成果の概要 |
低温でヘリウム原子をグラファイト結晶表面に単原子層吸着させて運動を2次元空間に制限した2次元量子系では、絶対零度でも流動性を保つ新奇な量子液晶相が量子液相と量子固相の中間相として実現することが期待されている。本研究では、グラファイト基板を微少振動させたときのヘリウム4吸着膜の力学応答と比熱を同時測定して、量子液晶を強く示唆する特異な超流動状態の観測に成功した。また、同位体のヘリウム3吸着膜で観測される原子核スピンの特異な量子スピン液体磁性も、同じ量子液晶構造を仮定するとよく説明できることが分かった。量子液晶の構造解明を目指す放射光X線回折実験も開始し、予備的ではあるが良好な実験結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質が取り得る状態(相)には気体、液体、固体、液晶、アモルファスの5態ある。ヘリウム原子からなる物質系の場合、量子力学効果が顕在化する絶対零度では液体と固体のみが存在し(それぞれ量子固体と量子液体)、後者は粘性のない超流動状態となる。本研究では、表面吸着したヘリウム単原子層膜に「量子液晶」という物質の新たな状態とその超流動相が存在することを強く示唆する結果が得られた。これは人類の自然界の理解をより豊かなものとし、量子計算機の原理である量子もつれと深く関係する「量子スピン液体」磁性など他分野への波及効果もある。高輝度放射光を利用した極低温研究という新分野にも先鞭をつけることができた。
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