研究課題/領域番号 |
18H01173
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺崎 一郎 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30227508)
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研究分担者 |
堀田 知佐 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50372909)
安井 幸夫 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80345850)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | スピン液体 / 相互作用の競合 / 二量体格子 / 不純物効果 |
研究成果の概要 |
本研究代表者は2017年に新奇なスピン液体候補物質Ba3ZnRu2O9を発見した。本研究では、このスピン液体を実験と理論の両面から調べた。実験的には、小さい比熱の異常と、中性子回折による磁気反射を100K以下で見出した。これは非常にかすかな磁気秩序があることを示す。さらに我々は、磁気秩序と液体的にゆらぐスピンが共存していることをμSRで明らかにした。その意味でこの系は他のスピン系にはない基底状態を持つ。理論的に我々は、この状態が2次元反強磁性ダイマー三角格子の理論でもサポートされることを明らかにした。また非磁性不純物の置換による弱強磁性の発見など、新しい磁気相も発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁性体の研究は物性物理学の王道である。我が国においては本多光太郎先生以来の長い伝統を持ち、世界的にも優れた成果を発信している分野である。本研究はその伝統に連なるものであり、磁性の源となるスピンがペアで3次元格子を作ったとき、どのような磁性が生じるかを実験的・理論的に明らかにした。本研究を通じて我々が見出した状態は、液体のように揺らぐスピンと、きちんと向きが固まって固体のように振る舞うスピンが共存した状態である。これはこれまでに知られていない新しい磁気基底状態であり、磁気物理、統計物理、固体量子論の進展に貢献できる成果である。さらに、乱れを導入することで、弱い強磁性相が生じることも発見した。
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