研究課題/領域番号 |
18H01186
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斉藤 圭亮 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20514516)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 水素結合 / プロトン移動 / 光合成 / 水分子 / アクアポリン / 分子動力学シミュレーション / 量子力学/分子力学法 / 蛋白質構造 / QM/MM法 / 分子動力学法 / 電子移動 / ダイナミクス / ネットワーク / 光化学系II |
研究成果の概要 |
プロトン移動現象を蛋白質の構造的観点から簡便に予測する手法を確立することをめざし,プロトン移動の分子機構と水素結合ネットワークを含む蛋白質構造との関係を明らかにした. 例えば,植物等の光合成において水分解・酸素発生反応を触媒する光化学系IIでは,蛋白質内部に結合している少数の水分子の構造ゆらぎが特異的に小さく,それらの水分子により高効率なプロトン輸送を可能にする経路が形成されている.一方,水輸送チャネルであるアクアポリンでは蛋白質内水分子の水素結合が弱く,水分子の構造ゆらぎが大きい.そのためプロトン移動に適した水素結合ネットワーク構造を維持できないので,プロトン移動が起こらない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロトン移動は生物におけるエネルギー代謝において重要であり,材料分野でも例えば燃料電池の新規電解質の電気伝導機構として着目されている.プロトン移動の移動度は他のイオンの移動に比べて一桁大きいが,この理由はプロトンリレー移動(Grotthuss)機構にある.本研究は,このプロトンリレー移動機構の実現には,水分子が作るプロトン移動経路の水素結合ネットワーク構造が重要であることを初めて示し,効率的なプロトン移動経路の設計指針を具現化した.これが学術的意義である.これにより生物におけるエネルギー代謝の理解や,高い電気伝導性を持つ新規電解質の開発に役立つことが期待される.これが社会的意義である.
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