研究課題/領域番号 |
18H01187
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳澤 実穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50555802)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2018年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 細胞モデル / 高分子混雑 / 異常拡散 / 蛍光相関分光法 / 粘弾性 / 人工細胞 / 閉じ込め / 生物物理 |
研究成果の概要 |
細胞中では、ブラウン運動とは異なる異常拡散が生じる。本研究では、高濃度高分子溶液を脂質膜で閉じ込めた細胞サイズの液滴により細胞の構造を再現し、蛍光相関分光法を用いた拡散挙動の解析から、構造的な特徴が分子拡散へ及ぼす影響の解明を目指した。その結果、異常拡散性は、高分子がつくる混雑環境にのみ依存して液滴半径には依存しなかった。一方、拡散係数は液滴半径が約20um以下で低下すること、その低下度は液滴を覆う膜物性に依存する現象を見出した。この要因として、分子クラスター形成による分子サイズの上昇、あるいは高分子鎖の実効的な緩和時間の変化が考えられ、今後その検証を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果より、分子スケールよりも大きな細胞サイズ空間が、高濃度高分子溶液における分子挙動を変化させ得ることが明らかとなった。これは、生細胞内の分子挙動を理解する際、バルク量の分子挙動を基準とすることには問題があり、細胞サイズ空間の寄与を取り入れた理解が必要不可欠であることを示唆している。さらに、細胞サイズのミクロ高分子液滴は、医薬品や化粧品、食品の材料としても汎用されていることから、その物性の理解や制御においても有用な知見と言える。
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