研究課題/領域番号 |
18H01216
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
深谷 英則 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70435676)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2018年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 格子ゲージ理論 / トポロジー / 量子色力学 / ドメインウォールフェルミオン / QCD |
研究成果の概要 |
温度165MeV以上の高温格子QCDのシミュレーションの結果、トポロジー励起がカイラル対称性を損なう手法の従来の研究に比べて、有意に抑制されていることが確認できた。axial U(1)感受率、 中間子,バリオン2点相関関数の計算も実行、複数の異なる観測量のカイラル極限が、軸性U(1)アノマリーの消失と統計誤差の範囲で無矛盾であることを確認した。この研究成果はPhysical Review D誌に掲載、また、2020年度HPCI利用研究課題優秀成果賞を受賞した。 また、カイラル感受率を軸性U(1)の破れとそれ以外に分解して解析することに成功、その寄与が90%に達するという驚くべき結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの格子QCDシミュレーション、特に有限温度QCDシミュレーションでは、計算コストの問題があるために格子上でカイラル対称性を壊す理論定式化が使われてきた。この手法では、自発的カイラル対称性の破れが不明確になるばかりでなく、カイラル対称性と密接に関係する、ゲージ場のトポロジカルな性質も損なわれる。私たちの研究成果は、精密なカイラル対称性をもつ格子QCDシミュレーションで行われた世界初の試みであり、宇宙初期に起こったQCD相転移に対するトポロジカルな励起の効果を定量的に見積もることに成功した。
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