研究課題/領域番号 |
18H01340
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
後藤 真宏 大分大学, 理工学部, 教授 (30170468)
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研究分担者 |
薬師寺 輝敏 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90210228)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 銅合金 / 不連続析出 / 疲労 / 組織 / 強変形加工 / 微細化 / 析出強化銅合金 / き裂 |
研究成果の概要 |
Ni-Si系銅合金に数ナノのNi2Siを析出させ最高硬さを得る時効を行った材料(時効材)のき裂発生起点は粒界であり,これは時効中に粒界に沿って析出物の枯渇した領域(PFZ)と数十ナノの粗大析出物が形成されたことによる.過時効すると粒内にファイバー状の析出物が発達する.過時効材は時効材より導電性は優れ静的強度は低い.一方,疲労限度に差は認められず,き裂発生起点は時効前の粒界であった.過時効材を強変形(80%の圧延)すれば,時効材より導電性(IACS値)が1.6倍,静的強度と疲労限度がそれぞれ1.05倍,1.5倍になった.強変形加工により作製した超微細粒銅材のき裂発生機構,き裂進展機構を解明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電気電子部品の小型軽量化,高集積化,高効率化の要求から,その素材となる銅合金の特性向上が望まれている.銅合金の開発は,加工熱処理条件と添加元素の工夫を通して行われているが,強度が向上すれば導電性は低下する問題がある(二律背反的).また,実際の電気電子部品は使用中の繰返し応力,通電や使用環境による熱ひずみを受け,耐疲労特性が要求される.本研究成果は,普通は使用されない過時効材の組織を改変することで強度と導電性の優れた素材が得られることを示し今後の銅合金の開発の道を開いた.また,強変形された組織を調べ,これまで不明であった超微細粒材料の疲労損傷の形成メカニズムを解明したことは学術的に意義が有る.
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