研究課題
基盤研究(B)
高速性と低エネルギー性を両立する超伝導単一磁束量子(SFQ)回路により、量子力学的不確定性に迫る領域での論理回路を目指した研究を行った。精密なタイミング設計により、複雑なSFQ回路においても50GHz程度の動作が可能であること、さらに工夫すれば現在の作製プロセスで100GHz以上の高周波動作が可能であることを示した。また、シャント抵抗の部分的な省略やスケーリングによる高速化、将来より高速な動作が見込める窒化ニオブ接合を用いた回路の評価も行った。低エネルギー化に関しては、駆動電圧や電流を低減させた場合の詳細な解析を行い、動作速度との関係を明らかにした。
一般に、論理回路には高速性と消費電力の間にトレードオフの関係があり、両立は困難である。SFQ回路においては、動作速度に対して配線遅延や発熱が律速要因にならないため、本研究で示したような、徹底的な動作速度の向上と低エネルギー化を同時に進めると、究極的には量子力学的不確定性が論理回路の動作速度の限界を決定するのか?という問いに行き当たると考えられる。本研究での成果は、超伝導回路の将来性を議論するために必要不可欠なだけでなく、論理回路の物理的限界の学理解明に向けた第一歩と考えられる。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (58件) (うち国際学会 26件、 招待講演 8件) 備考 (1件)
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