研究課題
基盤研究(B)
コンクリートが硫酸と接触して劣化を生じるとき,コンクリート中に含まれるセメント硬化体成分のカルシウムシリケート水和物の組成の相違により(具体的にはCaO/SiO2比の相違により),劣化の程度が異なることを明らかとした.さらに,硬化体と硫酸との反応によって生成される二水石膏が,一部は硬化体中に充填され,一部は硬化体を膨張させることに寄与することをモデル化することによって,劣化進行に伴い,コンクリートが膨張,剥落を繰り返す現象を再現できることを確認した.
コンクリートの硫酸劣化は,下水道関連施設等において顕在化している.これらの施設を維持管理していくにあたり,コンクリートの劣化進行を正確に予測することは,適切な補修時期を設定する根拠となるものであり,施設の維持管理コストを最小限に抑えることに大きく貢献する.本研究の成果は,コンクリートの硫酸劣化の進行予測を行う上で有用な情報を提供するもので学術的意義があり,劣化進行の適切な予測は構造物の長期使用,延命化に資するものであり,社会的意義も大きい.
すべて 2020 2019
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コンクリート工学年次論文集
巻: 41 ページ: 503-508
巻: 41 ページ: 539-544