研究課題/領域番号 |
18H01856
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石井 宏幸 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00585127)
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研究分担者 |
岡本 敏宏 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (80469931)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2018年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 熱電変換物性 / 大規模計算 / 有機半導体 / 時間依存波束拡散法 / 波束ダイナミクス / 熱電変換 / シミュレーション / 量子ダイナミクス / 密度汎関数 |
研究成果の概要 |
弱いファンデルワールス結合からなる有機半導体は、電子-フォノン相互作用が強いために、変形ポテンシャル近似などの従来の固体物理で使われてきた摂動論が使えない。そこで私たちは実時間上で電子-フォノン相互作用を直接評価し、それを用いて量子論に基づく波束の時間発展計算から伝導物性を算出する方法論「時間依存波束拡散法」を拡張し、熱電物性の計算も可能にした。またこれを実際の有機半導体に適用し、その有用性を示した。さらに開発の遅れているn型有機半導体の電子状態も調べたところ、p型と違って分子内振動との相互作用が無視できず、その相互作用が移動度にも重要な影響を及ぼすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高価な装置を必要とするシリコンデバイスに対して、基板に溶液を塗布するだけでアモルファスシリコンを超える移動度を達成できる有機半導体は、安価な材料として大きな強みをもつ。例えばIoT社会の実現に必要な年間1兆個のセンサの半導体材料や、それに電源を供給する熱電材料として有望である。しかし有機半導体は応用研究が先行し、原子レベルでの物性理解が遅れている。シリコンを想定した半導体物理学が、柔らかい有機半導体に適用できないためである。本研究成果の学術的意義は柔らかい材料に特徴的な未知の物性解明で、社会的意義は既存材料の性能向上に貢献する知見を与えることでより良い社会の実現に貢献することである。
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