研究課題/領域番号 |
18H01934
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
山口 祥一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60250239)
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研究分担者 |
野嶋 優妃 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90756404)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 氷 / 分光 / 表面 / 界面 / 非線形 / 和周波 / 振動分光 / 和周波発生分光 / ヘテロダイン検出 / プロトン秩序 / 水 / 和周波発生 / 水素結合 / 氷Ih / 水素の位置の無秩序性 / 残余エントロピー / OH伸縮振動 / 振動スペクトル / 表面緩和 / 水分子の上下の配向 / ice rule / proton disorder / ヘテロダイン検出和周波発生 / 同位体希釈 / 単結晶氷Ih |
研究成果の概要 |
氷の数ある結晶相の中で,Ih相は大気圧下72K以上では最も安定である.氷Ih相のバルクにおける水分子の配向は,長距離秩序を持たない統計的なものであることがよく知られている.しかし,氷Ihの表面における水の配向秩序はこれまで謎に包まれていた.我々は同位体希釈した氷Ihの表面に非線形光学分光法と理論モデリングを適用し,H-up配向に起因するOH伸縮振動を観測した.さらにこの水素秩序は,バルクよりも表面の方が微視的環境が不均一であるにもかかわらず起こることを見いだした.この結果は,バルクでは起こらない水素秩序化を可能にする表面の重要な役割を示唆している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で,氷Ihの表面はH-upの水素秩序構造を有することが分かったが,なぜそのような秩序が発生するのかは明らかでない.72 K以下のバルクでは,水素無秩序構造の氷Ihよりも水素秩序構造の氷XIの方が安定であることが知られているが,IhからXIへの相転移は欠陥の導入なしでは速度論的に不可能である.表面では水素結合ネットワークが切断され,水分子の並進と回転運動の自由度がバルクよりも大きく,フラストレーションがより小さい.それによって表面では水素秩序構造への“相転移”が速度論的に可能となっているのかもしれない.表面での秩序-無秩序転移の機構解明には,温度依存性の研究が将来的に重要になる.
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