研究課題
基盤研究(B)
本研究は、光励起で生成される正孔(光誘起スピン偏極電気伝導の源) と光電子の一対一対応に着目し、これまで明らかとなっていない光の入射角・偏光依存性によるスピン偏極電流のスピン方位・偏極度を、スピン分解光電子分光法を用いて明らかにすることを目的としている。極低温で且つ光誘起された電気伝導およびスピン分解光電子分光を同時測定できる装置を開発した。レーザーの修理が必要ながら海外メーカのため修理対応などがコロナの影響で行えず、最終的な結果を得ることは困難であった。別の角度で、放射光光源を用いて光励起エネルギーと誘起される光電子の関係について研究を行い新たな知見を得た。
本研究は、膨大な情報のやり取りを可能にするために、今後必要不可欠となる光とスピントロニクス物質の相互作用についての研究である。特に、誘起されるスピン電流のスピン方位及び偏極度の大きさのコントロールが可能になれば、光輸送による情報量の取得に大きなアドバンテージを設けることができ、取得できる情報量を増大させることも可能であるため、その波及効果や社会的意義は大きい。一方、極低温で且つ電気伝導やスピン電子構造を観測できる装置は世界的に見ても無く、別研究での需要も見込めるため基礎研究の観点でも波及効果は大きいと考える。
すべて 2020 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件)
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