研究課題
基盤研究(B)
近接二分子間での一光子の吸収過程から二つの三重項励起子を生成する一重項分裂(SF)は光エネルギー変換における高効率化が期待されているが、均一溶液中での高効率SFの報告の多くはペンタセンに限定される。しかしながら、ペンタセンの三重項状態の励起エネルギーはE(T1) = 0.8 eVと低く、太陽光発電や光触媒への適用を考えると実用的ではない。そこで本研究ではペンタセンより遙かに高いE(T1) = 1.3 eVを有するテトラセンに着目し、高効率SFによる三重項励起子の高効率生成だけでなく、電子移動や一重項酸素発生などの逐次反応系への展開にも成功した。
従来の光化学反応では吸収光子数に対するエネルギー変換過程の最大量子収率は100%である。一方、近接二分子間での一光子の吸収過程から二つの三重項励起子を生成する一重項分裂を用いることで量子収率は最大200%となる。本研究では、励起子生成の量子収率を向上させるだけでなく、電子移動や一重項酸素発生などの逐次反応系の構築にも成功した。
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