研究課題
基盤研究(B)
有機合成化学において、第四級不斉炭素の構築は立体障害のために困難であり、これを克服する新手法の開発が求められている。本研究は、独自の第四級不斉炭素構築法を設計し、これが有用な有機合成手法であることを、天然物の全合成において実証しようとするものである。標的化合物としては、医薬品や農薬のリードとして期待されるものの他、社会的な意義をもつ天然物を選んだ。その結果として、毒キノコの毒成分に共通して含まれる天然物ベルカロールを従来例より遥かに効率的に全合成する成果が得られた。また、ホスホリパーゼC の特異的阻害剤であるヒスピドスペルミジンの短段階全合成にも成功した。
天然物の全合成研究は、新しい合成手法の開発を促し、有機化学の飛躍的な発展をもたらしてきた。その意義は単に学術面に留まらず、医薬や農薬の創出など社会的な要請にも応えるものである。本研究では、独自に設計した「エポキシニトリルの形式的転位反応」および「転位反応によるgem-ジビニル化合物の高効率合成」を用いて、従来困難とされてきた第四級不斉炭素の立体選択的かつ効率的な構築法を開発した。また、それら新手法の有用性を、天然物ベルカロールおよびヒスピドスペルミジンの短段階全合成において実証した。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 1件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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