研究課題
基盤研究(B)
これまでに,ホウ素と窒素の「多重共鳴効果」により,励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差の縮小と励起状態における構造変化の抑制に成功し,高色純度青色発光と90%を超える蛍光量子効率を示す熱活性型遅延蛍光(TADF)材料の開発に成功している。本研究では,この設計指針の下,無機発光材料に匹敵する超狭帯域青色発光を示す「new-DABNA」,高色純度緑色TADF材料として「OAB-ABP-1」および「CzB2-M/P」の開発に成功した。いずれの材料も20-35%の高い外部量子効率を示すことから,近い将来の実用化が期待できる。
本研究を通じて確立したホウ素と窒素の「多重共鳴効果」による分子設計,また,それらを可能とする合成手法は,今後,様々な発光材料の開発指針となり,有機エレクトロニクス分野の発展に寄与するものと考えられる。また,開発した発光材料を用いた素子は,従来材料を用いた素子と比較して色純度と外部量子効率に優れており,今後の実用化研究を通じて,有機ELディスプレイの省電力化,高輝度化,高精彩化などが期待できる。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 8件、 招待講演 10件) 備考 (1件)
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