研究課題
基盤研究(B)
本研究は、ラジカルS-アデノシルメチオニン(ラジカルSAM)酵素の機能および反応機構解析を目的とし、バクテリオホパンの生合成遺伝子クラスターに含まれるラジカルSAM酵素HpnH及び環状ペプチド化合物Q-6402-Aに含まれる非タンパク質性アミノ酸である1-アミノ-2-メチルシクロプロパンカルボン酸の生合成におけるラジカルSAM酵素Orf29を研究対象とした。その結果、バクテリオホパン生合成において、HpnHはジプロプテンを(22R)-アデノシルホパンに変換することを明らかにした。また、Orf29はS-アデノシルメチオニンのメチル化反応を触媒することを明らかにした。
本研究では未解明のラジカルSAM酵素の機能および反応機構解析を目的とした。生体内酵素反応は、すべてイオン的な反応メカニズムによって触媒されると考えられてきた。しかし、有機ラジカル中間体が関与する酵素反応の例が明らかになり始め、現在ではラジカル中間体を経由する反応機構が広く受け入れられている。ラジカル機構を利用する酵素は、イオン的なメカニズムによって触媒するのが難しい、あるいは不可能と考えられる反応がラジカル中間体を経て反応を進行させている。本研究で明らかにしたラジカルSAM酵素の反応はラジカルを経て行われる酵素化学の深化および新たな酵素化学の領域を築けたと考えている。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)
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