研究課題
基盤研究(B)
テレフタル酸はPETボトルやポリエステル繊維、液晶パネル用機能性フィルム等の原料として様々な分野で使用されている。これらのリサイクル等においてテレフタル酸を含む廃液が生じ、その処理が問題となっている。本研究では、テレフタル酸分解菌(TB-97株)について、テレフタル酸からの有用物質生産を念頭に、全ゲノム情報に基づく関連遺伝子の特定と代謝システムの解析をおこない、有用物質(PDC)への変換を行った。また本菌株の有する新規な金属回収物質(シデロフォア)の構造決定や、本菌株が分離された活性汚泥槽の微生物群集構造とテレフタル酸分解との関連解明についても検討した。
テレフタル酸廃棄物はそのまま回収しても市場価値が安く、精製及び再利用は採算が合わないため現在はコストをかけて焼却処分されている。本研究成果によってテレフタル酸含有廃液の高効率処理が行えるのみならず、高付加価値化も行うことができ、将来的にはPETのアップリサイクリングに貢献できる。またシデロフォアを用いたレアメタルの回収も同時に行える可能性がある。さらに、排水処理施設中の微生物叢の解析を行うことで、安定した処理を行うための管理・診断手法を提供できる。
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