研究課題
基盤研究(B)
糸状菌Rhizoctonia solaniはイネ重要病害の紋枯病を引き起こす。本病の感染生理は未だよくわかっていない。本研究では、実験植物であるミナトカモジグサを用いたモデル感染系を用い、本菌の小型分泌タンパク質(エフェクター)遺伝子について、感染過程の発現変動を解析した。その結果、壊死誘導前の感染初期にこれらを使っていることを確認した。従来の認識とは異なり、本菌が宿主を殺す前に植物免疫を抑制する段階を経ることが示唆された。
本菌は激しい壊死斑を誘導するため、宿主を殺して栄養を摂取する殺生菌に分類されています。本研究により、本菌は宿主を殺す前に組織内に侵入し、そこで分泌型のタンパク質であるエフェクターを放出することで、宿主免疫を抑制しながら寄生を成立させる活物寄生と呼ばれるステップを経ると推測されました。植物は活物寄生菌に対する効率的な免疫系を持つことから、その原理を利用した本菌への耐病性付与の有効性が示唆されました。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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