研究課題
基盤研究(B)
熱帯地域では土壌劣化が引き起こす貧困と飢餓の負のスパイラルが深刻化している。本研究では、従来の量的な有機物管理に加えて、土壌微生物が持つ質的な管理も視野に入れることで、効果的な劣化土壌の修復・保全が可能になる、という着想に基づき、フィールド実験をタンザニア及びインドで行った。異なる土地利用下で、有機物の分解/同化に関与した土壌微生物群集を炭素同化能/分解能と関連付けて比較・解析した。その結果、1)土地利用に伴う土壌微生物の炭素利用効率の違いは、主に糸状菌群集の差異に起因すること、2)堆肥多量施用区で土壌微生物の炭素分解能は向上し、施用有機物が土壌に効率的に蓄積すること、などが判った。
『持続可能な開発目標(SDGs)』の最優先課題「貧困と飢餓の撲滅」は農学が解決すべき究極の目標であり、劣化土壌の修復は喫緊の課題である。本研究では、熱帯畑作地における土地利用が土壌微生物群集やその機能に与える影響について、SIP法などの先端技術を駆使することで解明した結果、従来想定されていた細菌群集に加えて、畑地の炭素循環への貢献度が不明瞭であった糸状菌群集の果たす役割が大きいことを明らかにした。また熱帯畑作地における土壌壌微生物の機能改善に必要な堆肥施用技術に関する新規知見も得られた。今後これらの知見を融合・発展することで、熱帯地域における劣化土壌修復技術の社会実装が可能になる。
すべて 2023 2022 2021 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (9件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 11件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (41件) (うち国際学会 26件、 招待講演 21件) 図書 (4件)
Biology and Fertility of Soils
巻: - 号: 6 ページ: 773-787
10.1007/s00374-023-01705-9
日本土壌肥料学雑誌
巻: 93 号: 1 ページ: 12-19
10.20710/dojo.93.1_12
130008159767
Nutrient Cycling in Agroecosystems
巻: 124 号: 3 ページ: 423-435
10.1007/s10705-022-10248-8
Land Degradation & Development
巻: - 号: 10 ページ: 1626-1636
10.1002/ldr.4234
Plant and Soil
巻: 474 号: 1-2 ページ: 263-263
10.1007/s11104-022-05363-y
Frontiers in Microbiology
巻: 12 ページ: 735121-735121
10.3389/fmicb.2021.735121
Applied Soil Ecology
巻: 167 ページ: 104027-104027
10.1016/j.apsoil.2021.104027
Forest Ecology and Management
巻: 498 ページ: 119520-119520
10.1016/j.foreco.2021.119520
Geoderma Regional
巻: 25 ページ: e00398-e00398
10.1016/j.geodrs.2021.e00398
Soil Biology and Biochemistry
巻: 156 ページ: 108186-108186
10.1016/j.soilbio.2021.108186
Soil Systems
巻: 4(3) 号: 3 ページ: 46-46
10.3390/soilsystems4030046
Soil Ecology Letters
巻: 未定 号: 4 ページ: 1-13
10.1007/s42832-020-0042-6
Scientific Reports
巻: 9:9835 号: 1 ページ: 1-9
10.1038/s41598-019-46406-2
120006709429