研究課題
基盤研究(B)
トポイソメラーゼⅡα(トポⅡα)は分裂期染色体構築に不可欠なタンパク質である。本研究では、染色体再構成を用いてトポⅡαの作用機序に迫った。まず、トポⅡαの染色体軸への集積にC末端ドメイン(CTD)が重要であることを示した。次に、トポⅡαが、異なる染色体間のDNAの絡まりをほどくだけでなく、CTDに依存的に染色体軸周辺で同一染色体内に絡まりを作ることを見いだした。さらに、トポⅡαがCTDを利用して異常なクロマチン凝集体の形成を抑制することも明らかにした。これらの結果から、トポⅡαが染色体内の「密」な環境に入り込んで酵素活性を発揮するという、新しい染色体構築メカニズムを提唱した。
本研究成果は、細胞の分裂期におけるトポⅡαの役割を初めて明確に示したものであり、染色体の構造と機能を大きく進展させるものである。さらに、トポⅡαは抗がん剤の標的タンパク質として知られているだけでなく、核移植によってクローン個体を作出する技術との関連も示唆されていることから、実学的研究にも大きなインパクトを与えると期待される。
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Nature Communications
巻: - 号: 1 ページ: 2917-2917
10.1038/s41467-021-23205-w
Current Protocols in Cell Biology
巻: 79 号: 1
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http://www2.riken.jp/chromdyna/
https://researchmap.jp/k_shintomi