研究課題
基盤研究(B)
ダイニンのストークMTBD領域とLC1さらにαβチューブリンダイマーとの複合体結晶の作成に挑戦したが,微結晶は得られたものの構造決定には至らなかった。更に,ダイナクチンp150のCAP-Gly領域についても同様に,クライオ電子顕微鏡による複合体での構造解析にトライしたが,十分な解像度で構造解析を行うには至らなかった。これら構造解析に向けた挑戦の過程で,微小管結合能の高いMTBD融合タンパク質単独の結晶を得た。また,外腕ダイニンγ鎖のMTBD領域と軽鎖LC1の複合体構造解析より,フラップ領域を上手く利用した微小管相互作用様式を提案することができた。
微小管を移動する分子モーターは,プラス端方向に移動するキネシンとマイナス端方向に移動するダイニンの2種類がしられている。キネシンの運動メカニズムについては,複数の視点で非常に詳細な情報が蓄積している。これに対しダイニンは,鞭毛・繊毛運動を駆動し,染色体分離や細胞内輸送を担う非常に重要な生体分子であるにも関わらず,モータードメインの分子サイズが380 kDaと巨大であるため,最近まで原子レベルの構造解明が遅れていた。本研究は理解が遅れていたダイニンの運動機構解明に貢献するものであり,今後の展開も期待できる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
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