研究課題/領域番号 |
18H02409
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2022) 東京工業大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
鈴木 俊治 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 客員研究員 (60618809)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2018年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | F1-ATPase / X線結晶構造解析 / ATPase / crystal structure / FoF1-ATP syntase / structural biology / motor protein / ATP / X-ray crystallography / motor proteins / 分子モーター / FoF1-ATP合成酵素 |
研究成果の概要 |
本研究ではウシF1のX線結晶構造解析システムを活用し、ATP加水分解反応の高分解能反応中間体構造を数多く入手する事に成功し、酵素反応のほぼ全域の連続的な構造変化を、原子レベルで詳細に議論できるようになった。リン酸解離過程の基質結合部位の段階的な構造変化とそれが回転に繋がる分子機構の構造的理解、生成物ADPとリン酸の解離の順番の制御機構、ATPase間で保存されているアルギニンフィンガーの役割など、様々な分子機構が今回明らかになった。また基質結合部位がATP結合により収縮し、加水分解とリン酸解離により膨張する現象も明らかになり、F1の作動機構をエネルギーの観点から考える上で重要な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年多くの蛋白質の立体構造が決定されているが、蛋白質が機能している瞬間を原子レベルで議論できている例は非常に少ない。しかし本研究では高分解能な酵素反応機構中間体構造が多種得られ議論できている。この手法が他酵素に適用できれば、様々な酵素の触媒機能理解に繋がると期待される。また本研究では、筋肉など生体内で多様に利用されているATPaseの分子機構を明らかにした。ATPaseがATPの化学エネルギーから力学的エネルギーを取り出し利用する仕組みの理解は、将来的な人工ナノアクチュエーターの設計や、生命のエネルギーを利用するという、新しいエネルギー獲得・利用法の確立の理論的基盤になると考えられる。
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