研究課題/領域番号 |
18H02415
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) (2020) 分子科学研究所 (2018-2019) |
研究代表者 |
岡崎 圭一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 計算科学研究センター, 准教授 (50792529)
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研究分担者 |
渡邉 力也 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (30540108)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2018年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | トランスポーター / 分子動力学シミュレーション / 遷移パス / 基質輸送速度 / 疎水性ゲート / 生体膜マイクロチップ |
研究成果の概要 |
本研究課題では、トランスポーターが基質を輸送する際の構造遷移ダイナミクスを分子動力学シミュレーションで明らかにして、基質輸送速度を変える変異の予測を行った。Na+/H+交換輸送体であるPaNhaPを対象として、基質輸送過程における内向き開・外向き開構造状態間の遷移ダイナミクスの全原子シミュレーションを行い、外側疎水性ゲートの開放が律速過程であることを同定した。そして、外側疎水性ゲートの相互作用を弱めた変異体における基質輸送能の測定実験を行い、野生型よりも基質輸送速度が向上していることを確認した。これにより、トランスポーターの機能制御メカニズムを解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランスポーターは細胞内外のイオン等基質濃度の制御に関わっており、その機能不全により様々な病気が引き起こされる。例えば、我々が研究対象としているNa+/H+交換輸送体はヒトにおいてはNHEと呼ばれており心不全や自閉症の発症に関わっている。従って、トランスポーターの動作メカニズム解明は、創薬など医学的な応用につながり得る。さらに、基質輸送速度を向上させる改変は、植物の塩耐性向上や糖度向上など農学的な応用の可能性もある。このような応用可能性に加えて、トランスポーターの物理化学的メカニズム解明は、分子科学において新しいチャレンジであり重要な成果である。
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