研究課題
基盤研究(B)
オートファジーは細胞の一部を膜で囲い込んで分解する仕組みである。モデル生物・線虫では、精子に由来する父性ミトコンドリアが受精卵において選択的オートファジーにより除去され,これがミトコンドリアDNA母性遺伝の仕組みとして働く。この過程で機能する新しいオートファジーアダプターALLO-1について解析を行い、ALLO-1は受精直後に標的上に局在化を開始すること、この局在にはC末端が重要であることを明らかにした。また、ALLO-1はオートファジーの開始を制御するATG1複合体を標的にリクルートすることも見出し、これが標的上での局所的なオートファゴソーム膜形成につながっていると考えられた。
ミトコンドリアDNAの母性遺伝の仕組みは生物学の長年の謎であったが、オートファジーによって父性ミトコンドリアが選択的に分解されることが明らかとなった。次の課題は、「どのように父性ミトコンドリアだけが識別されるのか」という点である。本研究により選択性を決める鍵分子であるALLO-1の機能について理解が進み、標的周囲にオートファゴソーム膜を形成させる仕組みを明らかにした。また、この仕組みは線虫だけでなく哺乳類の選択的オートファジーとも類似性があり、種を超えて保存された仕組みであることも示唆された。
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