研究課題
基盤研究(B)
受精のクライマックスである精子と卵子の融合は、精子側のIZUMO1と、卵子側のJUNOの相互作用により活性化されたのち、卵子上のIZUMO1セカンドレセプターを含めた複数の因子群からなる分子間相互反応の結果、成立することが推測される。本研究では、無脊椎動物で受精必須因子として存在するDCST1とDCST2をマウスやヒトで同定することに成功した。Dcst1/2欠損マウスは、線虫やハエと同様に配偶子融合不全が原因で完全な雄性不妊になる。約10億年に渡って保存されてきたDCST1/2分子が機能する詳細な分子メカニズムの解析を通して、今後の受精研究が大きく前進するものと考えられる。
現在、我が国では5.5組に1組のカップルが不妊症に悩まされており、2019年の出生児のうち14人に1人が体外受精児である。さらに2022年度より不妊治療が保険適応されたように、受精研究の社会的関心は非常に高く、晩婚化が進む中、不妊症は増加傾向にあるため、受精の分子メカニズムの解明が早急に求められている。本研究では、受精の核となる配偶子融合の必須因子を新たに同定することに成功した。この研究成果は、学術的意義のみならず、社会的意義に対する波及効果が大きいものと考えられる。
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