研究課題
基盤研究(B)
マウス胚の神経管の背側領域で局所的に発現するWnt1とWnt3aの時空間的挙動を詳細に解析した結果、これらWntリガンドが発現細胞の頂端側に局在化することを見出した。これらのWntを発現する細胞は発生の進行に伴い大きく形態を変化させ、背腹軸方向に伸長するが、このような形態変化にはこれらWntの分泌が必要である。解析の結果、この形態変化にはWntシグナル伝達経路の一つであるWnt/b-catenin経路の活性化が重要であることが明らかになるとともに、Wntの頂端側への局在化が、背側領域でのWntシグナル活性を維持し、その結果として細胞骨格因子の活性化と細胞の形態変化が引き起こすと考えられた。
Wntをはじめとする分泌シグナルタンパク質は、発生のさまざまな局面で重要な働きをするが、分泌されたタンパク質の時空間的挙動に関する知見は乏しく、それらの作用機構の詳細については不明な点が多い。本研究では、マウス神経管の最背側部で発現するWnt1とWnt3aに着目し、これらタンパク質の時空間的挙動を追跡するとともに、その挙動がもつ意義について検討した。その結果、これらWntが広く拡散しているという当初の予想に反して、その多くは発現細胞の周囲に局在していることが明らかになり、分泌シグナルタンパク質の作用機構についてのこれまでの一般的な考え方に修正が必要であることが示唆された。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 5件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件) 備考 (3件)
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