研究課題
基盤研究(B)
ハマウツボ科の寄生植物であるストライガ(Striga hermonthica)は、トウモロコシやソルガムといった穀物に寄生し枯死させることが知られており、アフリカの食糧生産に甚大な被害を与えることが知られている。土中で休眠する種子は、宿主植物が近くで生育を始めるとその根から放出されるストリゴラクトン(SL)を感知して発芽することが知られており、本研究では化学遺伝学の手法で新たなシグナル伝達因子の同定を目指した。発芽抑制、発芽上限突破の2種のスクリーニングより有望な化合物が得られ、標的タンパク質の同定とその生化学的な機構の解明を行なった。
ストライガをはじめとした寄生植物特有に見られる受容体のコピー数の増加の生物学的な意義が見出せていない現状において、本研究より受容体間に機能的な相互作用が存在することが示唆された。すなわち、土中に存在するSLの種類により発芽するか否かが決定されることを示唆しており、ストライガが寄生する宿主の種類をSLのブレンドを認識することで起こしていると考えられた。また、受容体ネットワークを制御することで発芽を抑制できることより、この原理を踏襲した発芽抑制剤の開発が可能となり、自殺発芽とは異なるアプローチでストライガの寄生を抑える方法へと発展することが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 8件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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http://www.itbm.nagoya-u.ac.jp/en/research/2018/12/Striga-SPL7.php