研究課題
基盤研究(B)
メスの交尾受容性は、性選択においてオスの形質の進化を左右する一方、それ自身は自然選択の影響下にあり、それゆえ生物進化のかなめとなる形質であるが、その制御メカニズムはほとんど分かっていない。本研究では、他のモデル生物にはない固有の形態や行動特性を持つテナガショウジョウバエを用いて、メスの交尾受容性を変化させる遺伝的・分詞的・生理学的なメカニズムについて明らかにしようとした。その結果、求愛行動によってメスの交尾受容性が操作され、その結果として配偶システムが進化したという珍しい事例が発見された。
性選択を駆動する両輪として、選ばれる側のオスの形質の変異を生み出す仕組みと、選ぶ側のメスの交尾受容性を制御する仕組みが重要である。しかしながら、前者は比較的よくわかっているのに反して、後者についてはほとんど分かっていない。本研究の成果は、メスの交尾受容性に影響を与える様々な要因を見出しただけでなく、それらが引き起こす配偶システムの動的な進化過程についても明らかにした。
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