研究課題/領域番号 |
18H02516
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 貴文 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (20184533)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2018年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | テナガザル / 社会構造 / ゲノム / 多様性 / 分子基盤 / 系統 / 交雑 / 保全 / 表現型 |
研究成果の概要 |
精しょう凝固に関連するタンパク質遺伝子をテナガザルで解析したところ、SEMG1のリピート構造は3属で一致し、SEMG2は属で異なっていた。SEMG2の部分配列を対象にdN/dSを求めたところ、霊長類において睾丸体重比と強い相関を示し、複雄群における精子競争を支持する結果となった。 テナガザル7種/亜種のゲノムについて、GRAS-Di解析をほどこし、大陸部と島嶼部のテナガザル種の分岐が約350万年前に起き、その後スンダ島嶼種の間で分岐が進んだことを支持する結果を得た。Hylobates属のいくつかの種で、遺伝子移入の証拠を検出し、これら種間における交雑の歴史は比較的古いことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
類人猿には珍しい「ペア」を基本とする社会構造を示すテナガザルから得られる知見は、「ヒト」を理解する上で、大型類人猿からは得られない洞察をもたらしてくれる。今回明らかになった、Hylobates属での遺伝子移入は現生Homo sapiensの成立過程を彷彿させるもので、更なる研究が期待される。 テナガザルのDNA・細胞のリソース化は、保全の観点からも、アジアからの情報発信という視点からも、将来に向けた共有できる貴重な研究資産と期待される。
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