研究課題/領域番号 |
18H02541
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
久場 博司 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362469)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2018年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 聴覚 / 神経回路 / 神経活動 / 中枢神経回路 |
研究成果の概要 |
ニワトリの蝸牛神経核では、シナプスや神経細胞の特性が周波数域毎に機能分化することで正確な時間情報処理が可能となる。本研究では、この周波数域依存的な機能分化の詳細と形成機構を明らかにすることを目指した。まず、抑制性シナプス入力の特性について調べ、その数やサイズが周波数域毎に異なり、このことが幅広い周波数域と音圧域での情報処理の実現に重要なことを明らかにした。次に、NaチャネルやKチャネルの発達過程を調べ、神経活動依存的なチャネル発現の制御機構の効率が、特に高音域で高いことを示した。すなわち、聴覚回路の機能分化には、神経細胞の遺伝的性質と聴覚経験の両者の連関が重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音の時間情報を幅広い周波数域で正確に処理することは、聴覚の機能発現に不可欠である。本研究では、この幅広い周波数域での正確な聴覚情報処理の神経回路基盤を明らかにするとともに、その形成過程における細胞特性と聴覚入力の連関の重要性について示した。これらの知見は、中枢聴覚回路の機能最適化という観点から今後の難聴治療戦略に新たな可能性を提示するだけでなく、様々な感覚系でみられる活動依存的な回路成熟、さらには脳部位特異的な回路成熟の仕組みを理解する上でも重要な示唆を与えると考えられる。
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