研究課題
基盤研究(B)
本研究は狂犬病ウイルストランスシナプス標識法を基軸にして神経回路の構造を比較することにより、機能的に重要な回路要素を抽出する“比較コネクトミクス”の実装を目指した。マウスの生殖状態によって神経ホルモン・オキシトシンを分泌するニューロンに対する入力の変動を検討し、雌マウスの妊娠・授乳期に特徴的な回路変化を多数同定した。またマウスを超えて食肉目フェレットにおいてオキシトシンニューロン特異的な標識系を構築した。
シナプス・スパイン動態の研究からミクロ (sub-μm) スケールの神経可塑性については特に記憶・学習の文脈で膨大な知見があるが、領域間をつなぐようなマクロスケール (supra-cm) の大域的な神経回路は発達後には不変と見なすのがカハール以来の伝統だった。本研究は成熟した哺乳類の神経回路がマクロスケールで再編成しうることを明らかにし、シナプス前後の神経細胞の種類を特定することに成功した点でパラダイムの転換を含む。これは将来的に脳機能の制御や失われた脳機能を回復させるための新たなイノベーションの基盤となり得る。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)
BioRxiv
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