研究課題
基盤研究(B)
酸素は、多彩な細胞応答機構を通じて生体の恒常性維持にかかわる生命にとって必要不可欠な生体ガスである。しかしながら、生体内で個々の細胞が晒されている酸素濃度の情報は曖昧な現状にある。そこで、本研究では多光子励起顕微鏡を用いた最新の生体イメージング技術を発展・改良することで、生きた動物の組織内の個々の細胞が晒されている酸素濃度を1細胞レベルで解析した。本研究では、りん光寿命イメージング法を用いて、骨髄内の破骨細胞を蛍光標識したマウスを生かした状態で観察することで、りん光寿命の計測を行なった。その結果、破骨細胞の生理的な酸素濃度の範囲は2~5%であることを明らかにした。
酸素の働きを質の観点で解き明かしてきた従来知見に対して、本研究は酸素の量の情報を明らかにした。即ち、生体内で個々の細胞がどの程度の酸素濃度で維持され、それがどのくらい変動するかの定量的知見を明らかにした。本研究成果は、細胞生物学などの基礎研究だけでなく、がんや虚血性疾患などの低酸素状態が関係する様々な病気の基礎病態を定量的に理解するための重要な知見となることが期待される。
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