研究課題
基盤研究(B)
本研究では消化器系臓器の上皮幹細胞および大腸がん幹細胞が外部環境に影響されることなくそのアイデンティティを維持するメカニズムの解明を目的として、生体由来の上皮幹細胞培養系(スフェロイド培養)を用いた研究を行なった。正常上皮幹細胞では、転写因子の発現とオープンクロマチン領域の近縁性が器官発生の過程をほぼ再現しており、特に肝臓と膵臓の幹細胞に高い近縁性が認められた。また、悪性度の高いWnt低活性型の大腸がん細胞がWntシグナルをバイパスして細胞増殖や幹細胞性を維持する分子機構を探索した結果、MYCの安定的発現がその一部であることが示唆された。
本研究で様々な組織から分離した上皮幹細胞を横断的に比較解析することにより、転写因子の組み合わせと強固なエピジェネティック修飾によって厳格に規定された臓器特異性の理解が進んだ。また、組織幹細胞の自家移植による組織修復の可能性が示された。本研究で樹立した患者由来大腸がんスフェロイドは治療法開発のための有用な材料である。これらの培養でがん幹細胞が維持されるメカニズムを解明することにより、幹細胞性をターゲットとした治療戦略の開発が期待できる。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (3件)
Cancers
巻: 12 号: 8 ページ: 2010-2010
10.3390/cancers12082010
120006888015
https://www4.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/indexjp.html
https://www4.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/researchjp.html
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