研究課題
基盤研究(B)
がんは、細胞数が持続的に増殖し続けることを第一の特徴とする疾患である。近年、腫瘍形成能をもち、薬剤耐性や転移・再発をもたらし、がん患者の予後の悪化を既定する細胞は、ごく一部のがん細胞だけで増殖が止まっている細胞であることが知られるようになり、がん幹細胞と呼ばれている。本研究は、増殖が停止した乳癌細胞の一部でGPNMBが細胞表面に輸送され、幹細胞の特性を誘導することでがん細胞の持続的増殖を誘導することを見出した。
本研究は、増殖が停止したがん細胞が、がん細胞集団の持続的増殖をもたらすことを示している。これによりがん細胞が増殖停止状態と細胞周期を回っている状態を移行しながら持続的増殖を示すという細胞増殖動態が示唆され、転移や再発に寄与する分子機構であることから、進行して転移や再発を起こしたがんの治療も可能にする新たな分子標的治療の開発につながることが期待される。また、この病理発生機序は、多くのがんで共通に働いているため、特定のがん遺伝子産物を標的とする従来のがん治療に比べ多くのがん患者に適用できる治療法となることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (7件)
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