研究課題/領域番号 |
18H02678
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田賀 哲也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40192629)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2018年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 生物機能性ポリマー / 癌幹細胞 / ニッチ / 脳腫瘍 / 神経膠芽腫 / 鉄代謝 / オートスキジス / 癌 / グリオーマ / 膵臓癌 / ポリマー |
研究成果の概要 |
癌幹細胞は重要な治療標的であり癌幹細胞を支える微小環境(ニッチ)の全容解明も癌根絶にあたり喫緊の課題であるが、ニッチ構成要素は極めて多岐に渡ることから革新的手法が必要であった。本研究は主に神経膠芽腫を対象として、生物機能性ポリマーの網羅的な探索により特定した癌幹細胞ニッチ擬態ポリマー結合分子の同定を端緒に展開した。同定したニッチ要素の一つ鉄代謝に関しては、癌幹細胞が遠隔的に赤血球分化を亢進させ自身に有利なニッチ環境を構築することを見出した。また癌幹細胞の特殊な細胞死(オートスキジス様細胞死)の産物と免疫担当細胞とが相互作用することで腫瘍促進性の細胞ニッチ要素を構築するという新規概念を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌幹細胞は治療抵抗性を有し癌の進展や転移に寄与するため癌根絶において重要な治療標的として認識される。その微小環境である癌幹細胞ニッチの解明は癌幹細胞性の消失に向かわせる手掛かりになるが、癌幹細胞ニッチの構成要素は極めて多岐に渡るため全容解明は困難であった。本研究において、癌幹細胞を維持する働きをもつ生物機能性ポリマーを用いて鉄代謝という癌幹細胞ニッチ要素を同定したことを端緒にして癌幹細胞が生体の赤血球分化を利己的に制御してニッチを構築することおよび、癌幹細胞が特殊な細胞死を介して生体の免疫細胞に作用して利己的なニッチ構築を行うことを示した。これら2つの新規概念は学術的にも社会的にも意義深い。
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