研究課題
基盤研究(B)
カルシニューリン/NFAT(nuclear factor of activated T cells)経路は、乳がんの発がん性や転移性に必須の役割を果たしている。しかし、カルシニューリン阻害による抗増殖効果の分子メカニズムは不明である。我々は、カルシニューリンの阻害により、G1/Sでの細胞周期の進行が遅延し、Thr286の脱リン酸化が阻害されることでサイクリンD1の分解が促進されることを発見した。サイクリンD1を過剰発現させると、G1/Sの進行遅延が部分的に回復したことから、サイクリンD1がカルシニューリン阻害の下流にある重要な因子であることがわかった。
カルシニューリンがサイクリンD1の転写に重要であることが報告されているが、本研究成果からカルシニューリンがサイクリンD1を脱リン酸化し、タンパク分解を阻害することが明らかとなった。トリプルネガティブ乳がんで高活性化しているカルシニューリンを阻害すると、サイクリンD1の発現低下、細胞増殖を抑制できる。トリプルネガティブ乳がんの新たな治療薬の開発に繋げていくことが今後の課題である。
すべて 2021 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 4件)
The Journal of Biochemistry
巻: - 号: 1 ページ: 1-4
10.1093/jb/mvab007
40022721790
iScience
巻: 23 号: 7 ページ: 101306-101306
10.1016/j.isci.2020.101306
120006870881
Sci Rep.
巻: 9 号: 1 ページ: 12779-12779
10.1038/s41598-019-48976-7
Nature Communications
巻: 10 号: 1 ページ: 1-10
10.1038/s41467-019-08957-w