研究課題/領域番号 |
18H02712
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山崎 由美子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (20399447)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 向社会的行動 / 利他行動 / 選択行動 / 腸内細菌叢 / 高次社会認知機能 / 利己的行動 / 互恵的行動 / 社会的調整 / 自律神経機能 / 腸内細菌 |
研究成果の概要 |
本研究はヒトと同様に向社会的行動を示すマーモセットを対象とし、向社会的行動の心理生理的至近要因について検証することを目的とした。2頭が実験中互いの姿が見える、見えないが制御される装置を用い、相手の存在が見えることの報酬効果を評価したところ、相手の特性(繁殖可能な異性など)によってその報酬効果が異なることが示された。反応によって利己的・互恵的・利他的報酬を自ら選択可能な場合、自身への報酬と他者への報酬への感受性が個体により異なり、そのパターンは腸内細菌叢の構成と関係があることが示唆された。従って、マーモセットの向社会的行動は柔軟に変化し、背景に腸内細菌などの内因的要因があることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトやマーモセットは他個体の生存に利する行動、利他行動をその進化の中で獲得してきた。利他行動は随意的行動である以上、進化的な要因のみならず、多くの獲得行動と同様に至近的要因、すなわち行動随伴性が存在するはずである。本研究はマーモセットの向社会的行動において、相手への特別な関心や直前の経験のような至近要因が、向社会的行動の表出や選択に影響を与えること、そしてそのパターンが腸内細菌叢と関係を有することを示した。今後、向社会的行動研究の最適なモデル動物であるマーモセットを利用し、高次社会認知機能と健康状態の関係解明と、腸内細菌叢の制御を通した非侵襲的で革新的な介入方法の開発が期待できる。
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