研究課題
基盤研究(B)
細胞内タンパク質の機能制御に関わるタンパク翻訳後修飾の一つであるO-Glc-Nac修飾の糖尿病並びに糖尿病合併症関連臓器における生理的役割とその異常と糖尿病病態との関わりを検討した。結果、O-GlcNAc修飾は、白色脂肪細胞における脂肪合成や正常な機能的成熟、骨格筋での運動時の糖取り込み、腸管からの脂質の吸収制御、SGLT1発現を介した糖吸収の制御、腎近位尿細管における絶食時の脂肪酸酸化-ATP産生に寄与すること、これらの異常が糖代謝異常や合併症の進展に寄与することが明らかとなった。
糖尿病ならびにその合併症は、患者さんのQOLを大きく損なう疾患であり、肥満患者数の増加や高齢化が急速に進む我が国において、その有病率の上昇が大きな社会問題の一つとなっている。今回の研究により、タンパク質の翻訳後修飾の一つであるO-GlcNAcylationの異常が糖代謝制御や糖尿病状態での合併症進展に寄与することが明らかとなり、その機能調節が糖尿病や糖尿病合併症に対する新たな治療標的となる可能性が示された。今後の研究の発展により、糖尿病患者さんの健康寿命延伸に対する新たな治療法の開発が期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件)
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