研究課題/領域番号 |
18H02876
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
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研究分担者 |
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
土川 貴裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (50507572)
中村 透 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70645796)
平岡 圭 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (10719587)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 膵癌 / 新規遺伝子治療 / 腫瘍選択的増殖型レトロウイルスベクター / 膵癌新規治療 / K-RAS阻害治療 |
研究成果の概要 |
プロドラッグ活性化遺伝子治療(RRV-yCD/5-FC治療)の腫瘍免疫を検討した。①マウス膵癌両側皮下腫瘍モデルで、右腫瘍を遺伝子治療し左腫瘍の免疫応答を解析した。右側は治療で腫瘍増大停止し、左側は遅れて増大停止した。CD8+細胞を抽出し細胞傷害効果を判定し抗腫瘍効果を得た。抗PD-1抗体併用で効果は増強した。増強効果はCD8+・CD4+抗体で消退した。②CPT-11併用療法を検討したが、感染率が変動し再現性が課題である。③K-RASを不活性化する変異体ウイルスを構築した。Host細胞への影響からウイルス産生量が低く、別の誘導型発現システムを構築した。②③は今後の検討を要す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果で最も重要な点は、遺伝子治療の抗腫瘍免疫応答を介した治療効果は、転移先を想定した対側腫瘍(直接遺伝子治療を行っていない部位)にも効果を発揮するという点である。さらにプロドラッグ投与で膵癌細胞の抗PD-1の発現は高くなり、抗PD-1抗体併用で遺伝子治療の効果はさらに増強された。この治療効果はCD8+ T cellあるいはCD4+ T cellを抑制することで消退し、作用機序としてT cellが重要な役割を果たすことが明らかとなった。既存の化学療法併用における問題点などさらなる課題も示された。効果的な治療法のない転移性膵癌に対し、新規治療法の基盤を提示できた点で意義は大きい。
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