研究課題
基盤研究(B)
嚥下造影検査で観察される病態の診断を画像解析技術および機械学習を用いて自動化しようとするものである。その結果、サルコペニアを有する者の咽頭の器質的変化、咽頭機能の動的変化が確認可能であった。嚥下動態の機械学習にあたっては、動画から特徴点を自動的に抽出してくることとこれらの特徴点を機械学習させ、診断効率を上げることが必要である。機械学習を実装させたところ、誤嚥のAccuracyは70.5%が得られた。一方で、特徴点の位置をVFデータ画像から直接的に検出、予測することについては、誤差が生じた。以上より、本研究で得られた画像取得技術および診断効率を臨床応用に適応するにはさらなる検討が必要であった。
画像取得技術、診断効率は、臨床応用に適応するにはさらなる検討が必要であったものの、一定レベルまで自動データ収集と診断効率を得ることが可能であることを示せた意義は大きい。患者が嚥下する際に体幹が動くことや膨大なデータ量を自動追尾する方法の課題は明らかになった。嚥下造影検査は嚥下機能評価におけるゴールドスタンダードといわれているが、診断手順が煩雑であることから臨床現場では必要な検査が行われない場合が多く、患者にとって不利益が生じている現状である。本技術の確立は、医療現場における診断の効率化を通じて患者に大きな福音となる。
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