研究課題
基盤研究(B)
本研究では、マウスの自発運動により、オレキシンニューロンの活性化をともなって、レプチンが末梢から中枢へ移行が促進することで、視床下部におけるレプチンの感受性が亢進することを見出した。一方、継続した自発的運動により、マウスの視床下部の神経幹細胞が増加することを見出した。また、運動習慣による骨格筋の遺伝子発現変化が、血中代謝産物レベルを変化させ、それらが脳へ直接的に影響を与えている可能性を見出した。これらは、運動が基礎代謝に関与する視床下部ニューロンの可塑性に大きく影響を与える可能性を示唆する。
これまでの運動トレーニングによる代謝亢進効果は、骨格筋を中心とした直接の代謝臓器に焦点が当てられていたが、本研究では、運動トレーニングが視床下部ニューロンの可塑性や増殖を介して視床下部によるエネルギー代謝調節システムを増強するという、新たなルートの可能性を提案した。視床下部は末梢組織と異なり、代謝が制御される部位ではなく、代謝を制御する部位であるため、視床下部の変化は個体全体にわたって影響を与えやすく、長期的なエネルギー代謝調節の強化基盤となると考えると、運動トレーニングの新たな効果指標として視床下部に着目することに、大きな意義が見出せたと言える。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 7件)
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