研究課題
基盤研究(B)
女性に多くみられる冷え症は冷えの愁訴とともに特徴的な脳活動パターン、すなわち低周波数α波の低い出現率とβ波の高い出現率を示す。骨格筋運動に伴う深部体温と皮膚温の上昇はこれらの脳活動パターンとは無関係に温熱性快適感の上昇と四肢末梢部の冷感の減少を引き起こす。1~3ヶ月間にわたる軽強度運動の実践は全身および四肢末梢部の冷え症状を緩和し、これらの変化は冷覚感受性の低下と末梢部皮膚血管拡張機能の亢進に起因することを明らかにした。
日本文化における冷え症は疾患には起因しないが強い冷感によって日常生活に困難を伴う不定愁訴としてとらえられてきた。諸外国で冷え症そのものを扱った研究は少ないが、本邦においては冷えと食事や生活習慣との関連、月経や妊娠との関連、冷え症の客観的評価などの研究がみられる。冷え症の生理学的特性については温度感覚や皮膚温から研究したものが散見されるが、脳機能や皮膚循環機能については不明な点が多く残されている。これらの機能的特性を明らかにした上で、冷え症の緩和策としての身体運動の効果とその機序を解明することは、冷えで悩む人々の生命と生活の質の向上につながるものであると考える。
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