研究課題
基盤研究(B)
本研究では、高精度周波数解析法を用いてMRI信号を正確に解析することにより、従来の1.5T MRIの空間分解能を0.7mmから50μmに向上し微小領域の可視化に関して検証した。実験では、MRI計測データに対し、MRI画像再構成に一般的に使用されるFFTと補間を用いて高解像化する手法とNHAによる解析を行い、各手法によるMRI画像を比較した。結果から、FFT解析と補間手法によるMRI画像では分解能が不足し、強度値が平滑化され詳細な構造を確認できなかった。一方、NHAでは、計測データを正確に解析することでサイドローブを抑制し、FFTではブロック状だった場所が複数の強度値に分割された。
MRIは、非侵襲的に物体内を可視化できるため幅広く活用されており、MRIで計測した信号は一般的にFFTを用いて画像へ再構成している。このFFTに代わって、NHAを応用することで、設備はそのままで性能を極限まで高め、低磁場でこれまで以上の空間分解能を実現できる可能性を示した。