研究課題
基盤研究(B)
本研究では，注視行動から人の心的状態を推定することを目的に，視線の計測・推定技術，および，それを利用した心的状態推定技術の開発を行った．具体的には，人の無意識的な反射運動である眼球・頭部協調運動を機械学習によりモデル化して頭部運動の観測から視線方向を推定する技術，VR環境下での視覚探索行動の観測による心の健康状態推定，注視行動による受講生の講義理解度推定などを取り扱い，それぞれについて注視行動データ収集用のシステム構築から，収集したデータを用いた推定手法の性能評価までを行った．眼球・頭部協調運動モデルについては，視線推定という用途だけでなく，心的状態の推定にも利用可能であることも確認した．
本研究は，心的状態推定の問題を，大量データと機械学習手法によって人の内部での減少に立ち入らずに取り扱うのではなく，心的影響を強く受けるが外部からの観測が可能な注視行動に着眼し，認知科学・心理学的の知見を踏まえて解決を図った点で独自性があり，その成果には一定の学術的価値があると考えている．本研究では，成果概要で述べたとおりさまざまなトピックを取り扱ったが，特に眼球・頭部協調運動のモデル化は，利用範囲が広いことを踏まえ，定量的で信頼性の高い性能評価を行った上で，この技術を容易に利活用できるようPythonライブラリとして整理しており，その学術的・社会的な意義は大きい．
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 2件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (49件) (うち国際学会 15件、 招待講演 6件)
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