研究課題
基盤研究(B)
「オノマトペや比喩などの主観表現には体の不調の何が表されるのか」という学術的問いを設定しています。本研究課題では、オノマトペを構成する音韻に感覚的印象が結びつくとされる「音象徴性」に着目し、痛みの強度や炎症値、病巣の広がりや深さといったデータとオノマトペを構成する各音韻の相関を解析することで、オノマトペに反映されやすいデータと反映されにくいデータ、オノマトペにしか現れないかもしれない体の不調の可能性についても追及することを目指しました。この目的を達成するための方法として、順天堂大学の総合診療内科の外来でオノマトペや比喩による主観表現の収集を行いました。
医療現場で患者が痛みなどの不快感を表す際に用いる「がーん」といったオノマトペや「ハンマーで殴られたような」といった比喩などの主観表現に着目し病気の診断を支援する技術開発の研究です。オノマトペを構成する音韻と、痛みの強度や炎症度や疾患の深さや広がりなどの関係を数量化できる研究代表者独自の技術により、pain scaleや検査結果などの数値データとの相関を解析できます。主観表現に体の不調の何が表されるのかを把握できるだけでなく、検査データでは見えない体の不調を言語で捉えられる可能性や、オノマトペに着目して病態分類を試みることによる新たな分類基準を発見できる可能性があります。
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