研究課題
基盤研究(B)
タンパク質のヘテロ複合体の多くは過渡的で，生理活性を高度に制御調節する．タンパク質の構造変化と機能発現は密接に関係しているので，ヘテロ複合体の構造変化には，特有の機能発現機構を解く鍵がある．本研究ではPDBに格納された立体構造から確からしい生状態のヘテロ複合体を網羅的に抽出した．次にヘテロダイマーを対象に複合体同士の立体構造比較を行い，構造変化を系統的に解析して運動を分類した．この時，申請者らが開発した，複合体の構造比較法：SCPCと，立体構造変化の同定・記述法：Motion Treeを利用した．ヘテロダイマーではホモダイマーと比べ，インターフェースで発生する運動が稀なことを発見した．
タンパク質は複合体構造をとって働くものが多い．またタンパク質の働きには構造変化が関与する．以上のことから複合体の構造変化研究は生命の成り立ちや疾病への対処を考える際に必須である．構造決定されたタンパク質の立体構造はPDBに登録されているが，そこから生状態の構造を選択することは難しい．本研究ではまず，膨大なPDBデータから尤もらしい生状態構造を取得する方法を確立した．次にヘテロダイマーに対象を絞り，構造変化を大規模に解析し，インターフェースを利用した運動が少ないことを発見した．生理活性の調節に関与するヘテロマーの運動について知見が得られたことは，その機能発現メカニズム解明の端緒となる．
すべて 2021 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 8件、 招待講演 8件) 図書 (2件)
Biophysics and Physicobiology
巻: 18 号: 0 ページ: 226-240
10.2142/biophysico.bppb-v18.025
130008106407
FEBS Open Bio
巻: 12 号: 1 ページ: 285-294
10.1002/2211-5463.13337
Acta Crystallogr F Struct Biol Commun
巻: 77 号: 1 ページ: 13-21
10.1107/s2053230x20016829
FEBS Letters
巻: 594 号: 12 ページ: 1960-1973
10.1002/1873-3468.13806
Protein Science
巻: 29 号: 2 ページ: 564-571
10.1002/pro.3789
巻: 16 号: 0 ページ: 280-286
10.2142/biophysico.16.0_280
130007752770
実験医学
巻: 37 ページ: 3077-3082
巻: 27 号: 10 ページ: 1821-1830
10.1002/pro.3485
Bioinformatics
巻: 34 号: 19 ページ: 3324-3331
10.1093/bioinformatics/bty369
