研究課題
基盤研究(B)
ガスの凝縮や粒子同士の凝集により大気中で時々刻々と変化するナノ粒子を化学的に追跡するには、時間的にも粒径的にも高分解能な捕集装置をデザインし、さらに高感度な化学分析と組み合わせる必要がある。本研究では、ナノ粒子の凝縮成長と表面増強ラマン散乱(SERS)効果を組み合わせた全く新しい概念の粒子捕集、ならびに超高感度分析法を提案し、室内実験や野外観測を通じてその実用性を検証した。その結果、直径20nmという極めて小さい個々のナノ粒子から主成分である硫酸や有機物のピークを半定量的に同定することに成功した。これは、従来の個別エアロゾル分析の検出下限サイズを大幅に更新するものである。
大気中の微量なガスが前駆物質となって粒子化する新粒子生成(NPF)は、最終的に雲凝結核の濃度を決定付け、地球の気候に影響を与える大気エアロゾルの重要な発生プロセスである。しかし、質量の極めて小さい新粒子(ナノ粒子)の検出に十分な感度を持った測定法がなかったために、プロセスに関与する化学成分についての理解が進んでいない現状があった。以上の結果は、従来の分光学的な粒子分析の検出限界サイズを従来に比べ1桁近く大幅に更新する画期的な成果であり、今後、実大気エアロゾルへのさらなる応用を通じて、新粒子生成プロセスの解明、ならびに気候影響の評価に大きな貢献が期待される。
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