研究課題/領域番号 |
18H03428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
蟹江 憲史 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (90326463)
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研究分担者 |
森田 香菜子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70599125)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | SDGs / 持続可能な開発 / CSD / グローバルガバナンス / 国際制度 / 国連 / ハイレベル政治フォーラム(HLPF) |
研究実績の概要 |
ワシントンD.C.において、国際NGOのIISDで国際交渉プロセスの報告を長年執筆しているLynn Wagner氏に聞き取り調査を行い、また、ジョンスホプキンス大学にて、William Zartman名誉教授ほか、交渉専門の研究者に聞き取り調査を行った。その成果の一部は、日本国際政治学会学会誌「国際政治」の特集号「SDGsとグローバルガバナンス(2023年1月)」にまとめた。そこでは、SDGsのグローバルガバナンス上の課題に焦点を当て様々な角度から検討を重ねた。国際規範形成という側面や、企業、ビジネスの行動変容の観点から見ると、SDGsの存在は持続可能な社会へ向けて効果を発揮していることが明らかとなった。また、従来の多国間合意と比べると企業やビジネスの巻き込みは進展していることも明らかとなった。他方で、ジェンダーに関する規範形成やNGOの巻き込み方については課題があることも判明した。2030年の目標達成期限までにこうした課題を解決すべく対話を重ねることが重要だが、同時にやがて起こるであろうSDGsの先の目標形成過程では、SDGsの教訓を生かした検討も期待される。人新世における諸課題の根本的解決を図るには、ノン・ヒューマンの視点を含め総合的に課題解決を図ることも有益だということも明らかとなった。こうした検討は、CSDからSDGに至る過程においてどのような変化が起こったかを分析するための重要な視座を与えてくれる。こうした視座を今後の聞き取り調査に生かすことの重要性が明らかとなった。 オンライン参加のHLPFではSDGs達成を目指す行為主体のアイデンティティやインタレストの変化、特にCOVID-19の影響による変化なども情報収集し分析した。予想以上にCOVID-19の収束が困難で、多くの国で健康、雇用、貧困、更に先進国・途上国間の不公平感の問題に焦点が当てられていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に引き続き新型コロナウイルスの影響で分析に必要な情報収集が困難であった。特に、CSDとHLPFの差異については、当時の交渉担当者やその中や近くでこの変化を体感していた方々に対して聞き取り調査を行い、エビデンスを明確にすることが不可欠であるが、これが出来ていないため、確固とした論を立てるに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまで新型コロナウィルスの影響で実施できずにいたフィールドワークを実施する予定である。7、9月にはニューヨークの国連本部にて聞き取り調査を行うほか、7-8月にはワシントンDCにて調査を行い、CSDとHLPFとの相違点を明らかにする。また、得られた情報は9月に国連から報告するGlobal Sustainable Development Reportへの貢献としてまとめたのち、書籍あるいは論文によって公表予定である。2023年度は最終年度に当たるため、これまで収集した情報をとりまとめながら、CSDからHLPFに至る様々なステークホルダーのインタレストやアイディアの変化の違いを分析し、併せて今後の制度設計のあり方とアーキテクチャを示していきたい。
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