研究課題/領域番号 |
18H03474
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
玉作 賢治 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, チームリーダー (30300883)
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研究分担者 |
北村 光 京都大学, 理学研究科, 助教 (60335297)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | X線自由電子レーザー / X線非線形光学 / ダメージ / 密度行列理論 / 高強度X線 / X線吸収分光 / X線非線形分光 / ダメージフリー / ボルツマン方程式 / 衝突電離 / 非線形分光 |
研究成果の概要 |
実験面では、直接2光子吸収に比べて4桁程度高効率な共鳴2光子吸収の観測に成功し、それを利用した非線形分光を実現した。これにより、原理的にダメージを受けない非線形分光が可能であることが示された。また、共鳴2光子吸収を蛍光X線分光に応用して、特定の発光過程を選択的に調べられることを示した。理論面では、簡約化密度行列方程式の数値解析を通じて、高強度X線パルスを照射した銅のK殻吸収スペクトルが、X線強度とともに高エネルギー側にずれることを示した。これは3次の非線形効果であり、その要因が、電子-ホール間の強い引力による内殻軌道エネルギーの実効的な低下に起因することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
X線自由電子レーザーの実現により、フェムト秒の高強度X線が利用可能になったが、そのようなビームが測定対象に与える影響については、定性的にもよく理解されておらず、そもそもどういったことが起こるのかすら不明であった。本研究課題により、比較的低強度でも試料の電子状態の変化が起こること、そしてそれがどのように引き起こされるのかが理論的に明らかにされた。一方で、共鳴2光子吸収分光を用いれば、十分に低い強度で非線形分光が可能なことが示された。本研究で得られた知見が、X線自由電子レーザーを使った最先端計測を行う上で有用な指針を与えると期待される。
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