研究課題
基盤研究(B)
「どちらが先か?」という時間順序知覚と、「同時かどうか?」という同時性知覚が、脳内の共通のメカニズムによって情報処理がなされているのかどうかは、これまで未解明の問題であった。一般に、事象間の時間差が小さいとき、時間順序の判断は難しくなり、それらが同時であるという知覚が生じると考えられてきた。本研究課題では、「時間順序の不確定性」と「主観的同時」が独立して生じうるかを検証するため、提示時間の異なる2つの視覚刺激を用いた実験を行った。その結果、「時間順序知覚」と「同時性知覚」が独立したシステムで情報処理されている可能性が示唆された。
本研究では、刺激時間長の異なる2つの視覚刺激が、短い時間差で提示された場合、「時間順序判断の不確定性」が生じるにもかかわらず、「主観的同時性」が生じないという現象を発見した。このことは、時間順序知覚と主観的同時性が脳内の別々のメカニズムによって処理されている可能性を示唆するものであり、脳内時間情報処理システムの全貌の解明につながりうる知見を提供することが出来た。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Cerebral Cortex Communications
巻: 2 号: 1
10.1093/texcom/tgab006
Frontiers in Cellular Neuroscience
巻: 14 ページ: 593027-593027
10.3389/fncel.2020.593027